噛むと奥歯に痛み!6つの原因と治療方法

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噛むと奥歯に痛み!6つの原因と治療方法

食事をするときに、お口に入れた食べ物は、奥歯で噛んですりつぶします。前歯では噛み切ることは出来ても、硬い物をすりつぶすという奥歯の様な噛み方はできません。
そんな奥歯が食べ物を噛んだ時、痛みがでると食べにくくなってしまいますので、とても辛いものがあります。
そこで、奥歯で噛んだ時に痛みが出る原因や治療方法、応急処置について詳しくご説明します。

1.歯やその周囲の構造について

歯の痛みについて理解するためには、まず歯の構造や歯を支えている歯周組織の構造を理解しておかなければなりません。

1-1.歯の構造について

歯は、歯茎から上の歯冠と、歯茎の内部で見えない歯根に分けられます。
歯の構造と名称

1-1-1.歯冠

歯冠は、最も外側をエナメル質というとても硬い物質で覆い、内側の象牙質を守っています。エナメル質の硬さは、骨よりも硬く、身体の中で最も硬いといわれています。
象牙質の内部には、歯髄という、いわゆる歯の神経があり、歯根の先にまで伸びています。歯髄は、歯の神経といわれますが、神経だけでなく血管もあり、歯はこの血管から栄養や酸素を受け取っています。なお、歯髄が収まっている空間は歯髄腔とよばれています。

1-1-2.歯根

歯根は基本的に象牙質で出来ています。そして、内部には歯冠から続いている歯髄があります。

1-2.歯周組織の構造について

歯周組織とは、歯を支えている役割を担っています。歯周組織は、歯肉(しにく)、歯槽骨(しそうこつ)、歯根膜(しこんまく)、セメント質の4つから構成されています。
歯肉とは、歯茎のことです。歯槽骨とは歯を支えている骨のことです。歯根膜とは歯槽骨と歯を繋げている薄い靭帯のような部分ことです。セメント質とは、歯根の表面にあり歯根膜を歯根に繋げている役割をしている部分です。

2.奥歯に痛みが出る6つの原因

2-1.虫歯

虫歯は、虫歯菌が乳酸を産生し、この乳酸が歯を溶かすことで生じる病気です。
虫歯は、その進行度合いからC1からC4までの4段階に区分されています。

虫歯の進行
C1は、エナメル質が溶かされただけの状態です。通常痛みを感じることはありません。
C2は、エナメル質を通過し、象牙質にまで虫歯の穴が及んだ状態です。C2では、冷たい物に痛みを感じ始めます。
C3は、歯髄に虫歯の穴が達した状態です。歯の神経が刺激されるので、強い痛みを覚えることが多いです。
C4は、虫歯のために歯冠がなくなり、歯根だけになった状態です。
ここまで進行すれば、冷たい物にも熱い物にも痛みを感じることはなくなりますが、歯茎が腫れて、腫れた痛みを感じたり、後述する根尖性歯周炎の痛みを感じたりすることがあります。
もし、虫歯によって奥歯に痛みを感じるようになれば、C2以上の段階に進んでいると考えられます。

2-2.歯周病

歯周ポケットの図
歯周病とは、歯周組織に生じた病気の総称です。歯周病は、歯肉炎という歯茎にだけ炎症が生じた状態と、歯茎以外の部分にも炎症が拡大した歯周炎という状態に分けることが出来ます。
歯肉炎であれば、歯みがきの時に出血する程度で済むことが多いです、ところが、歯周炎になれば、そうではありません。歯槽骨がとけて減ってくるので、歯がグラグラと動いたりするだけでなく、噛んだときの力に耐えられなくなり、食事の時に痛くなったりもします。
また、急性化といって、急激に腫れてくるときは、激しい痛みだけでなく、出血も増し、口臭も強くなってくることがあります。

2-3.根尖性歯周炎

根尖性歯周炎とは、歯根の先に膿がたまってくる病気です。その原因は、虫歯です。虫歯菌が歯髄を侵し、歯髄が壊疽してしまうと、歯根の先に膿がたまってきます。膿がたまる過程で、内部の圧力が高まり周囲の組織を圧迫してします。噛むと、歯が沈み込みますので内圧が更に高まります。こうして噛んだときに辛い痛みが生じます。
また、一度神経をとった歯であれば、歯髄を取り除いた後の詰め物の隙間などで細菌が繁殖し、歯根の先に膿を生じさせてしまうこともあります。この場合も、同じ理由でやはり噛むと痛くなります。

2-4.智歯周囲炎(ちししゅういえん)

智歯とは親知らずのことです。すなわち智歯周囲炎とは、親知らずの炎症です。
親知らずは、まっすぐきれいに生えていることがとても少ないです。たいていは傾いて手前の歯に引っかかっていたり、歯茎に覆われたままだったりします。
そのために、歯磨きがしにくくなります。歯磨きがきちんとできていないと、細菌が繁殖しやすくなるので、歯茎が腫れるようになります。腫れるとやはり痛くなってきます。
親知らずの腫れは、歯茎だけに留まらず、顔まで腫れてくることもめずらしくありません。また、お口が開けにくくなったり、喉も痛くなったりします。

2-5.歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりの種類
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯根膜に常に過大な力がかかることになります。すると、歯根膜が腫れてきます。すると、歯根膜は歯根を覆う様に歯根の周囲にあるので、そこが腫れると、歯をもち上げるような方向に向かう力が生じます。そのために、歯が浮いた様な感じがしてきます。また、食べ物を噛むと、腫れた歯根膜に押さえ込む様な力がかかってくるので、痛みを感じることがあります。

2-6.上顎洞炎(じょうがくどうえん)

上顎の奥歯の上、鼻の横、眼の下に当たる部分には、上顎洞とよばれる骨の空洞があります。上顎洞は、蓄膿で腫れてくることで知られていますが、蓄膿のことを正式に表した病名が上顎洞炎というのです。
上顎洞の底にあたる骨はもともと薄いという特徴があります。そして、この薄い骨に上顎の奥歯は生えています。
上顎洞炎がおこると、その周辺の骨に炎症が波及します。すると、骨が薄いために、上顎の奥歯の先にも炎症が届くことがあります。すると、上顎の奥歯で食べ物を噛むと痛みを感じるようになります。

3.奥歯に痛みが出るときの治療方法について

3-1.虫歯

C1やC2であれば、コンポジットレジンという白い色のプラスチック製の詰め物をして治すことが出来ます。この方法だと1日で治せますので、とても楽です。奥歯等、コンポジットレジンでは強度が不安な場合は、インレーという小ぶりの金属製の詰め物で治すこともあります。どちらも、歯の神経の治療はしません。

ところが、C3になりますと、歯の神経を取り除く治療が必要となります。そして、取り除いた後、被せものをして噛めるようにするのですが、C1やC2の段階とは異なり、1ヶ月半から2ヶ月程度かかるようになります。

C4であれば、歯髄があったところに細菌が繁殖して、歯根の内部にまで浸透しています。そこで感染根管治療とよばれる感染した部分を取り除き、そこを消毒する治療が必要となります。この場合も、噛めるように被せものを最終的には装着するのですが、やはり治療期間は2ヶ月ほどはかかってしまいます。

・虫歯治療については、以下の記事で詳しく説明しています。
必読!50代からの虫歯予防完全ガイド

3-2.歯周病

歯周病の治療は、歯周病を起こし、悪化させる原因を除去することにあります。歯周病の原因は歯周病菌とよばれる細菌にあります。この細菌を除去することが大切になります。
この歯周病菌がいるところがプラークです。プラークを取り除くこと、すなわちプラークコントロールが歯周病治療の基本となります。
ところで、プラークとは、歯の表面を爪や爪楊枝等こすった時にとれてくる白いカスの様な物のことです。この正体は、歯周病菌に限らずいろいろな細菌の塊です。このことから、プラークは最近ではバイオフィルムという言い方をされることもあります。
プラークを取り除くということは、お口の健康のとって有害な細菌を取り除くということでもあります。その方法は、セルフケアと歯科医院で行なうプロフェッショナルケアにわけられます。
セルフケアとは、日々の歯みがきのことです。毎食後、歯ブラシだけでなく歯間ブラシやデンタルフロスを使って、ていねいに歯を磨くようにしましょう。
プロフェッショナルケアとは、歯科医院で専用の器械を使って、歯石を取り除いたり、セルフケアではとりきれなかったプラークを取り除くことです。
これらの二人三脚で、歯周病の治療は行なわれます。
なお、歯茎の腫れが激しいときなどは、抗菌剤による炎症の緩和から開始することもあります。

・歯周病治療については、以下の記事で詳しく説明しています。
必読!50代からの歯周病予防完全ガイド

3-3.根尖性歯周炎

歯根の先の膿の袋に消毒薬を届けて、そこを消毒する必要があります。歯髄がなくなった歯髄腔を根管といいます。根管は、歯髄があった空間ですから、歯根の先の膿の袋のところにまで届いています。根管の中にある汚染された詰め物や感染を生じた根管の壁のあたる象牙質をきれいに取り除き、そこに根管消毒薬とよばれる消毒液を浸透させて、歯根の先の膿の袋を消毒します。
根尖性歯周炎の症状が激しいときは、いきなり消毒をするのではなく、抗菌薬を使って炎症を和らげてから行なうこともあります。

3-4.智歯周囲炎(ちししゅういえん)

親知らずの炎症である智歯周囲炎の場合は、まずは抗菌薬での炎症の緩和を行ないます。
抗菌薬の飲み薬で良くなることが大半ですが、顔まで腫れている場合や、お口が開けにくくなっている場合等、炎症の範囲が広がっているときは、抗菌薬の点滴を行ないます。また、食事がとれないなど症状がひどい場合には入院になることもあります。

3-5.歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりによって歯根膜が傷んでいる場合は、マウスピースによる治療が行なわれます。
マウスピースを上顎、もしくは下顎に装着します。歯ぎしりや食いしばりをしたときにかかる力を、マウスピースに受け止めてもらいます。これによって歯根膜に強い力がかかることを防ぐようにするのです。

・歯ぎしりについては、以下の記事で詳しく説明しています。
歯ぎしりがもたらす体に悪い10のことと自宅での治し方

・食いしばりについては、以下の記事で詳しく説明しています。
今日からできる!食いしばりを治す7つの方法

3-6.上顎洞炎(じょうがくどうえん)

上顎洞炎が原因の場合は、まずは抗菌薬での炎症の緩和が行なわれます。たいていは飲み薬で対応出来ますが、症状が激しい場合は点滴が行なわれることもあります。
上顎洞炎により歯に炎症が及んで痛みを生じているときは、上顎洞炎が落ち着けば、歯の症状も消えてくることが大半です。

4.奥歯に痛みが出るときの応急処置について

奥歯に痛みを感じたときは、歯科医院で見てもらうのが一番ですが、仕事の都合等ですぐには受診出来ないときの対処法について記載します。

4-1.痛み止めの薬を飲む

ドラッグストアでは、痛み止めの薬を販売しています。こうした薬を使うと、痛みの緩和が期待出来ます。ただし、原因が治ったわけではありません。あくまでも痛みが消えただけなので、歯科医院で診てもらうことを忘れないようにしてください。

4-2.冷やす

冷やすことも効果が期待出来ます。ただし、冷やすときは、頬を冷やすようにしてください。冷やし過ぎや、歯を直接冷やすことは、かえって痛みが強くなることもあるので、注意が必要です。

4-3.ツボを押す

合谷のツボの位置
手のおや指の付け根付近で掌寄りには、合谷(ごうこく)とよばれるツボがあります。
このツボは、歯の痛みをとるツボとして知られています。

非常に見つけにくいのですが、合谷を上手に押すことが出来れば、ツボを押した痛みが小指の付け根付近に痛みが響いてきます。

5.奥歯に痛みがある時にやってはならないこと

5-1.腫れたところ直接触ること

指先には意外と細菌がたくさんいるものです。腫れたところは、粘膜も薄くなっており、弱くなっています。不用意に腫れたところを触ることは、かえって腫れをひどくさせることもありますので、注意してください。

5-2.タバコ

タバコを吸うと、毛細血管が収縮してしまいます。腫れたところを治すべく、免疫細胞等いろいろな細胞成分が血管を通して運ばれています。その血管が縮んでしまうと、必要な細胞が必要な分だけ届けることが出来なくなってしまいます。
タバコはむしろ有害な作用しか及ぼさないので、やめたほうがいいでしょう。

5-3.お酒

お酒を飲むと、血行が良くなります。血の巡りが良くなるのはいいのですが、痛んだところにとっては、血流が良くなることで内部の圧力が高まってしまいます。すると、圧力の上昇によって痛みが増してしまうことがあります。

5-4.長風呂につかる

長い間お風呂につかると、血行が良くなります。それに伴いやはり内圧の上昇を招きますので、シャワーを浴びる程度にしておく方がいいでしょう。

まとめ

奥歯でかんだ時に痛みを感じる原因としては、6つほどが考えられます。
いずれの原因であっても、自分自身で治すのはとても難しいです。歯科医院を受診して、原因に応じた治療を受ける必要があります。
しかし、歯科医院に通院するのが難しい場合は、市販の痛み止めを使ったりして、痛みを取り除く様にしてください。また、手軽な方法としては、ツボを抑える方法もあります。
一方、してはならないこともあります。直接触れることや、タバコやお酒などは却って治りを悪くさせるので、気をつけてください。

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