下がる歯茎5つの原因と歯茎を戻す6つの再生治療法

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医師監修|下がる歯茎5つの原因と歯茎を戻す6つの再生治療法

歯茎は年とともに下がっていくことがあります。
しかし、歯の形は変わりませんから、歯茎が下がることで、歯が大きくなった様に見えたり、歯の根が露出してくることで、冷たいものがしみてきたりすることがあります。
そこで、歯茎が下がる原因と、下がる歯茎を戻す再生治療方法について具体的に説明します。

1.歯茎が下がる原因

1-1.歯茎が下がるとはどういうこと?

歯茎がさがるイメージ
歯茎が下がることを、歯科医療者は”歯肉退縮(しにくたいしゅく)”といいます。歯肉とは、歯茎の正式名称です。
歯肉退縮は、困ったことに年齢とともに増大するといわれています。その頻度は、子どもで50%、50歳台で100%ともいわれています。
歯肉退縮の症状は、歯茎の縁が歯の下の方へ移動することで、歯の根が露出した様な状態になることにあります。ただし医学的には、これ以外に歯茎の縁は普通の状態であるけれど、歯と歯茎の隙間である歯周ポケットが深くなっている様な状態も、歯肉退縮に含めて考えられています。このような状態は、いわば”隠れ歯肉退縮”ともいえ、患者自身が気がつきにくいところに問題があります。

1-2.歯茎が下がる原因

1-2-1.歯ブラシの不適切な使用

歯ブラシの写真
では、歯肉退縮、すなわち歯茎が下がってくる原因とは、いったいなんなのでしょうか?
最も多い原因は、不適切な歯ブラシの使用といわれています。特に硬すぎる歯ブラシの使用によって発症することが多いようです。こういった場合の特徴として、歯みがきが行なわれていることにより、歯茎の炎症自体は少ないということがあげられます。
そして、ごく一部の歯茎だけではなく、お口全体の歯茎が下がっていることが多いということもいわれております。

・歯ブラシの選び方については、以下の記事で詳しく説明しています。
保存版|歯周病を予防する正しい歯磨きと歯ブラシの選び方

1-2-2.歯周病

歯周病の説明図
歯周病も歯茎を下げてしまう原因のひとつにあげられます。歯周病になりますと、歯槽骨とよばれる歯を支える骨がダメージを受けて減ってしまいます。
歯茎は、歯槽骨の上にあるので、歯槽骨が減ってくると、それにともない歯茎も下がってくる様になります。ただし、適切に治療されていない、すなわち放置された状態の歯周病の場合は、歯茎が下がっておらず、隠れ歯肉退縮になっている場合がありますので、注意が必要です。

1-2-3.歯の位置のずれ

歯は、歯列弓とよばれるU字型の並びに沿ってはえています。しかし、中にはそのきれいな並びからはみ出して、外側(医学的には唇側もしくは頬側といいます。)もしくは、内側(医学的には舌側、もしくは口蓋側といいます。)にずれてはえている場合があります。
とくに、外側にはみ出している場合に、他の歯と比べて歯茎が下がりやすい傾向が示されています。なお、これを裏付ける様に、こうした外側にはみ出した歯を矯正的に戻すと歯茎の下がりが改善したという報告もあります。

1-2-4.小帯の付き方がよくない

小帯とは、唇や頬から歯茎に向かってのびている筋のことです。これが長く、かつしっかりし過ぎていると、それにともなって歯茎が下へひっぱられます。この下方へのひっぱりも歯茎を下げる原因といわれています。

1-2-5.加齢

歯茎が下がってくる原因に関して、様々な原因を前述しました。しかし、歯茎は、これらの要因がなくても、年齢とともに下がってしまうことが知られています。
年間に平均して0.25[mm]ずつ下がってくるという報告もあります。この計算ですと、仮に20歳から歯茎が下がり始めるとすると、60歳になる頃には10[mm]に達する計算になります。
もちろん、全ての人が等しく10[mm]減ってくるわけではありません。そこには個人差が大きく影響しています。その半分にもみたない人もいれば、それ以上になる人もいますし、60歳までに抜けてしまっている人もいます。
すなわち、正しい磨き方をしていても、歯ならびがきれいであっても、歯茎が下がってくることがあるということは、覚えておいてください。

2.歯茎の再生治療について

2-1.目的

下がった歯茎の再生治療は、下がった歯茎の回復が一番の目的になりますが、それに伴い、歯茎が下がることで大きく見えてしまう歯の見た目を回復したり、歯茎が下がって磨きにくくなった部分を磨きやすくしたりという、副次的な効果による改善も目的に含まれます

2-2.再生治療

2-2-1.エムドゲイン法

エムドゲイン法
エムドゲインとは、ブタから作られる薬の名称です。歯槽骨の再生にも効果があり、その方面でも使われています。
局所麻酔の上、歯茎を切開し、歯茎の内側にエムドゲインを注入し、縫合して閉じるのが、エムドゲイン法の術式です。
世界的に広く行なわれていますが、あらゆる歯肉退縮の症例に使えるわけではありませんし、完全な回復ではなく、歯茎の一部だけの回復となることもあります。
治療を行なうにあたっては、主治医の歯科医師とよく相談の上、受ける様にしてください。
エムドゲイン法は、日本では保険診療の適応外となっており、自費診療で行なわれています。エムドゲインの薬剤自体が非常に高価であることもあり、治療費は50,000円から100,000円ほどになっているようです。

2-2-2.遊離歯肉移植手術

遊離歯肉移植手術
連続する数本の歯の周囲4分の3程度にわたって歯茎が下がった場合、かつ見た目の回復を強く希望する時に主に行なわれます。
ただし、完全に歯の全周囲の歯茎が下がってしまった場合は、難しくなります。上顎の内側の歯茎から、一部採取して、歯茎が下がっている箇所に移植する方法です。こちらも、保険診療の適応外となります。一般的に30,000円から60,000円ほどの治療費としていることが多いようです。

2-2-3.組織誘導再生法

GTR法の説明
英語名称のGuided Tissue Regenerationを略してGTR法ともいわれています。
歯の根の周囲には歯根膜と呼ばれる靭帯の様な部分があります。歯茎が下がってくる場合、この歯根膜も減っており、露出した歯の根の部分には歯根膜はありません。
そこで、歯根膜を歯の根の露出した部分に誘導し、そこで歯根膜を再生しようとする方法です。歯根膜が再生すると、歯槽骨が回復されます。歯槽骨の回復に従って、歯茎も改善しようという考えに基づいています。
この方法も、あらゆる歯茎の下がった症例に使えるわけではありません。特に歯と歯の間の歯槽骨、または歯茎が下がってしまった場合は難しくなります。
GTR法では、歯茎の内側に特殊な膜を留置します。歯根膜はこの膜の内側で再生されます。この方法は、保険診療の適応を受けていますので、保険で治療を受けることが出来ます。しかし、中には保険診療の適応のない特殊な膜を使う方法があり、こうした膜を使用すると保険診療の適応外となります。保険診療の適応外の場合の治療費は、50,000円前後が多いです。

2-2-4.歯肉歯槽粘膜形成手術(歯肉弁歯冠側移動術)

歯肉歯槽粘膜形成手術
歯茎を切開し伸ばした上で、より上方に位置する様に縫合・固定することで、下がった歯茎の位置を戻そうとする方法です。
適応となるのは、歯茎の下がりが5[mm]程度までの症例に限られます。保険診療でおこなわれる歯周病の外科治療の一種です。しかし、歯根膜が再生していないと、その確実性は低く、時間をかけて元の状態に戻ってくることも多いです。費用は600点となっており、自己負担割合が3割の場合、自己負担額は1,800円となります。

2-2-5.歯列矯正

整った歯列弓からはみ出た歯は、歯茎が下がりやすい傾向があります。
しかも、そうした歯をきれいな並びにしますと、それに伴って歯茎がもどってくることがあります。
そこで、歯ならびを整えることで、歯茎の下がりを改善することが望めます。ただ、矯正歯科治療は歯茎の状態の改善目的で行なわれることは稀です。やはり、歯ならびを改善することが主目的となり、副次的な効果で歯茎の改善を図るというのが一般的な考え方です。なお、矯正歯科治療は保険診療の適応外となります。

2-2-6.小帯形成術

唇や頬から歯茎に伸びた筋を小帯といいます。この小帯の着いている位置が、歯茎の縁に近いと、ひっぱられて歯茎が下がってくることがあります。
そこで、小帯を整え直し、引っ張られない様に使用とするのが、この小帯形成術です。
しかし、更なる歯肉退縮を抑える効果はありますが、下がった歯茎が戻ることは期待しにくいです。なお、保険診療で行なうことが出来、560点となっております。自己負担割合が3割の場合は、自己負担額が1,680円となります。

まとめ

歯茎の下がりについて、ポイントを7つにして簡単にまとめてみました。
・歯茎が下がる主な原因は、歯みがきの仕方や歯周病にあります。
・加齢的な影響でも歯茎は下がります。
・歯茎が下がると、歯が大きく見えるようになるといった見た目の影響から、歯の根が露出することによる歯がしみてくるといった症状まで、さまざまな症状が現れます。
・一度下がった歯茎は、自然には回復しません。
・歯茎を元に位置に戻す治療法もありますが、あらゆる症例に使えるわけではありません。
・最も効果的な対応は、歯茎の下がりを予防することです。
・歯茎が下がらない様にするには、まずは歯みがきの仕方の見直しと、歯周病の治療から行なっていきましょう。

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