削らない麻酔しないむし歯治療!カリソルブ治療のすべて

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専門家監修|削らない麻酔しないむし歯治療!カリソルブ治療のすべて

むし歯が出来て歯科医院を受診したら、むし歯治療が行なわれます。そんな時は、キーンという音のする機械でむし歯を削って詰める、もしくはガリガリと削って詰めて治すイメージがあると思います。
痛そうなイメージやキーンという音そのものに抵抗があり、歯科医院に足が向きにくいこともあろうかと思われます。
カリソルブ治療は、そのようなむし歯治療のイメージを一新する新しいむし歯治療法です。
歯を削らずにむし歯を取り除くために開発されました。
今回は、新しいむし歯治療であるカリソルブ治療について、治療方法や費用、メリット・デメリットなど詳しくご説明します。

1.むし歯について

カリソルブ治療を説明する前に、むし歯について説明したいと思います。
むし歯は、むし歯菌により、歯が溶かされて穴が開いてしまう病気のことです。現在、むし歯によって出来た穴は、むし歯を取り除き人工の歯科用の修復材料で詰めたり、被せたりして治すしか方法がありません。

むし歯は、進行具合(要するにむし歯によってできた穴の深さのことです)により4段階に分類されています。
むし歯を英語でDental Cariesといいますが、このCariesのCをとって、C1からC4までに分類されています。なお、C1の前段階としてCOという段階があります。Caries Observationの略です。Observationとは観察という意味で、削らず経過観察とする段階を意味しています。

1-1.歯の構造

むし歯の進行具合はむし歯の深さによって表されていますので、それを理解するためには、歯の構造を理解する必要があります。

歯は、肉眼で見える歯茎より上の部分を歯冠、歯茎より下にある歯の根の部分を歯根といいます。歯冠の表面はエナメル質という骨より硬い物質で覆われています。
その内側に象牙質という部分があり、エナメル質で守られています。象牙質の内部には歯の神経があり、これを歯髄とよびます。
歯髄が収まっている空洞を歯髄腔といいます。一方、歯根はセメント質という物質で内部の象牙質を覆っています。セメント質の外側には歯根膜という薄い組織があり、骨と結合しています。なお、歯を支える骨のことを歯槽骨といいます。
歯の構造

1-2.むし歯の分類

むし歯はC1からC4の4段階に分けられています。
虫歯の進行イメージ
C1:エナメル質にむし歯がとどまっている状態
C2:むし歯が進行し、エナメル質から象牙質にまで至った状態
C3:歯髄にまで、むし歯が達した状態
C4:むし歯が進行したため、歯冠が崩壊した状態
このように、むし歯で出来た穴の深さによってむし歯の進行具合は分類されています。

2.カリソルブ治療とは?

むし歯の部分に特殊なジェルタイプの薬を塗って、むし歯を溶かして治す新しいむし歯治療法です。
我が国では2007年に導入されました。なお、保険診療の適応外となります。従来のむし歯治療が、機械を使ってむし歯の部分を削って取り除き、そして治すという方法だったのに対し、むし歯の部分を薬を使って溶かして取り除くという点が異なります。
しかも、この薬は、正常な歯の部分には影響しないという特徴を持っており、むし歯の部分にしか作用しません。
ただし、溶かすことが出来るのは、象牙質部分のむし歯のみで、エナメル質に生じたむし歯は溶かすことが出来ません。

2-1.カリソルブ治療で使われる薬剤

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カリソルブ治療で使われるジェルタイプの薬剤の成分は、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)と3種類のアミノ酸です。スウェーデンの大学により1987年に開発されました。
次亜塩素酸ナトリウムは、消毒用の薬として歯科ではよく使われる薬です。むし歯菌の消毒効果を発揮する役割を担っています。アミノ酸には、健全な歯の部分を守る働きがあります。

2-2.カリソルブ治療の適応となるむし歯

カリソルブ治療が行なわれるのは、このうちのC1およびC2段階のむし歯です。
C3は、歯の神経の治療が必要となり、C4は抜歯を視野に入れるほどのむし歯になります。C3以降のむし歯にはカリソルブ治療は行なうことは出来ません。

また、むし歯の出来た位置によっては、薬剤が入れにくいため、カリソルブ治療が受けられないこともあります。
例えば、歯の隣り合う面(隣接面といいます。)に出来たむし歯の場合は、薬剤を入れようとしても流れ出てしまうため、C1やC2であっても適応外となることがあります。

2-3.カリソルブ治療の方法

カリソルブ治療方法

①視診やレントゲン写真撮影などにより、むし歯がC1もしくはC2であることをまず確認します。
②カリソルブの薬剤を準備します。
③カリソルブの薬剤を専用の器具を用いて、むし歯の穴に入れて、むし歯の部分をカリソルブの薬剤に浸すようにします。
④30秒ほど待ちます。
⑤専用の器具を用いて、溶けて軟らかくなったむし歯の部分を取り除いていきます。
〜③から⑤を何回か繰り返し、むし歯をきれいに取り除きます。〜
⑥むし歯が取り除かれた後、コンポジットレジンとよばれる歯の色に似たプラスチックを詰めたり、金属製の詰め物などを装着して終わります。

※可能であれば、鼻がつまってなく、かつ鼻で呼吸が出来る場合は、可能であればラバーダムというゴム製のシートを歯に装着します。
薬剤が漏れ出さないようにするためと、唾液が流れ込まないようにするためです。

3.治療時間と費用

3-1.治療時間

一般的な歯科治療であれば、カリソルブ治療の適応となるC1やC2のむし歯の場合、機械を使って削ると、おおむね数分から10分程度でむし歯の部分の除去が完了します。
しかし、カリソルブ治療では、薬剤を使ってむし歯の部分を溶かし、それを取り除くという過程を繰り返して、むし歯を除去します。
そのために、一般的な歯科治療と比べて時間がかかり、1回あたり60分ほどかかることもあります。むし歯を取り除くことが出来れば、あとは、一般的な歯科治療と同じようにむし歯を取り除いて出来た穴を埋めるだけです。ですので、1本あたりの通院回数は、1回もしくは2回となります。

3-2.費用

現時点では、保険診療の適応外となっております。
保険診療であれば全国一律ですが、そうではないため、各歯科医院が独自に費用を設定しています。
相場は1から2万円くらいが多いようですが、受診した歯科医院で相談してみてください。

4.カリソルブ治療のメリットとデメリット

4-1.メリット

4-1-1.機械を使わない

一般的な歯科治療で使う機械を使用せずにむし歯を除去出来ますので、通常の歯科治療では避けることの出来ない、キーンという独特の音やガリガリと削る振動がありません。こういった環境により心理的に歯科治療を敬遠している人であっても、むし歯治療を受けやすくなります。

4-1-2.むし歯以外には作用しない

正常な歯の部分には薬剤が作用しないため、むし歯の部分のみを溶かして除去することが出来ます。ただし、溶かすことが出来るのは、象牙質に生じたむし歯だけです。

4-1-3.痛みが少ない

一般的な歯科治療と比べて痛みが少なく、子どももむし歯治療が受けやすくなります。

4-2.デメリット

4-2-1.保険診療が使えない

保険診療が適応されないので、一般的なむし歯治療と比べて高額になります。

4-2-2.時間がかかる

一般的なむし歯治療と比べて、むし歯を取り除くのに数倍の時間がかかります。

4-2-3.適応症が限られている

C1およびC2までのむし歯しか使えません。しかも、歯の隣り合う面にできたむし歯にはたとえ、C1やC2であっても薬が塗りにくく適応症となりません。

4-2-4.エナメル質のむし歯は溶かせない

まれに、エナメル質にできたむし歯の穴は小さいけれど、象牙質部分でむし歯が広がっていることがあります。カリソルブ治療は、薬剤を塗ってむし歯の部分を溶かして取り除く治療法ですが、溶かすことが出来るのは、象牙質に出来たむし歯のみです。

エナメル質表面に出来た穴が小さい場合、内部に十分薬剤を塗ることが出来ないことがあります。また、むし歯を溶かすことができても、取り出す器具を入れることが出来ないこともあります。こうした場合は、溶かして治すカリソルブ治療であっても、エナメル質の部分の穴を機械を使って拡大しないといけないことがあります。

まとめ

カリソルブ治療は、一般的な歯科治療と異なり、機械を使ってむし歯を削ることはありません。
専用の薬剤を用いて、むし歯の部分を溶かして取り除きます。しかも、正常な歯の部分には作用しないため、健全な部分を溶かしてしまう心配もありません。
機械を使わないことにより、痛みも少ない上に、歯科治療を敬遠しがちな人や子どもにも安心して受けてもらうことが出来ます。
しかし、一般的なむし歯治療と比べて、C1とC2以外の進行してしまったむし歯には使えないという、適応範囲の狭さに加え、むし歯を取り除くためにかかる時間が非常に長くなるというデメリットがあります。そして、保険診療の適応外となりますので、費用も高額になってしまいます。
カリソルブ治療によるむし歯治療を考えている人は、担当の歯科医師からしっかりと説明してもらってから、納得の上受けるようにしましょう。

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