部分入れ歯を保険で!6ヶ月作り直しルールや費用と自費の種類

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医師監修|部分入れ歯を保険で!6ヶ月作り直しルールや費用と自費の種類

人はむし歯や歯周病など、様々な原因で歯を失うことがあります。その時、治療の選択肢として、部分入れ歯やブリッジがあります。
部分入れ歯は、保険診療でも製作することができます。また、保険適応外の部分入れ歯もあります。両者は一体どう違うのでしょうか。
そこで、保険で作る部分入れ歯と、保険上でのルール、保険外診療の部分入れ歯についてご説明します。

1.保険診療の部分入れ歯の構造

入れ歯の構造
保険診療で作る部分入れ歯は、どこの歯科医院で作っても形に多少の差異はあっても、基本的に共通の構造となり、『床(しょう)』『人工歯』『金属のバネ(クラスプ)』『バー』『保持装置』の組合せから構成されます。なお、これは保険診療以外の部分入れ歯でも同じです。

1-1.床

床部分
床とは、入れ歯のピンク色の部分で土台(歯茎)に当たる部分です。保険診療での部分入れ歯は、コンポジットレジンやスルフォンとよばれるプラスチックで作られています。レジンで作られた入れ歯を『レジン床義歯』、スルフォンで作られた入れ歯を『熱可塑性義歯』といいます。なお、義歯とは入れ歯の正式名称です。
スルフォンの方が粘りがあって壊れにくい性質がありますが修理がしにくいので、レジン床義歯の方がよく用いられます。

1-2.人工歯

人工歯部分
人工歯とは、入れ歯の歯の部分のことです。人工歯の素材は、レジン・硬質レジン・スルフォン歯・床用陶歯の4種類から選ぶことが出来ます。
どの素材を選んでも構いません。どの人工歯を選ぶかは、入れ歯の形や噛み合せ、状態等を考慮して歯科医師がその都度選んでいきます。

1-3.鉤・クラスプ

クラスプ
部分入れ歯についている歯にかける金具を鉤、もしくはクラスプといいます。これは部分入れ歯の安定性の鍵となるパーツです。
クラスプの種類は鋳造鉤・線鉤・コンビネーション鉤の3種類から選べます。鉤の素材は、14金・金銀パラジウム合金・コバルトクロム合金・ニッケルクロム合金などがあります。どのタイプのクラスプにするか、どの素材を選ぶかは、歯がどれだけしっかりとしているか、前歯か奥歯か、残された歯の本数などを考慮して決められます。

1-4.バー

バー部分
例えば、両側の奥歯だけ部分入れ歯を入れる様な、離れた部分に入れ歯を入れる場合に、離れた入れ歯同士を繋げるパーツを、バーといいます。
バーには、屈曲型・鋳造型の2種類あり、鋳造型の場合は、素材を金銀パラジウム合金かコバルトクロム合金、ニッケルクロム合金から選ぶことが出来ます。

1-5.保持装置

クラスプほどの安定力は無いのですが、残された歯に小さな金属製のひっかけをかけることがあります。これを保持装置といいます。

2.保険診療で作る部分入れ歯

保険の部分入れ歯
保険診療で作られる部分入れ歯は、基本的に床・人工歯・クラスプの組合せで作られ、必要に応じてバーや保持装置が組み込まれます。
部分入れ歯の輪郭や、人工歯の配置、クラスプの数や形は、歯科医師が決めていきます。担当の歯科医師によって出来上がる部分入れ歯の形には差異があります。
部分入れ歯の特徴としては、クラスプをかけて安定を図る点にあります。もしも残された歯の本数や位置から前歯にクラスプをかけざるをえないとき、これが目立ってしまいます。また、保険の床はプラスチック製なので厚みがあり、違和感が大きくなる原因になります。

3.保険診療で入れ歯を作る場合のルール

保険診療で入れ歯を作る場合、6ヶ月という区切りを設けてルールが定められています。
新たに入れ歯を作製する場合、前回の入れ歯の製作開始時の歯型取りの日を基準として、それから6ヶ月以内は新たに入れ歯を作ることが出来ません。つまり、言い方を変えれば、歯型と取った日から6ヶ月経てば新しい入れ歯を作ることが出来ます。
例えば、3月1日に入れ歯の歯型を取った場合、9月1日以降でなければ、新しい入れ歯を作ることが出来ないということです。これは、部分入れ歯でも総入れ歯でも共通です。
そして、これは歯科医院を変更した場合でも同じです。前医での歯型取りから6ヶ月経過していることが必要です。入れ歯の作製時期を確認するため、被保険者証に歯型を取った日を記載することが義務づけられています。ただし、カード式の場合はその限りではありません。
なお、入れ歯を紛失した場合など、特別な場合においては新たに入れ歯を作製することが出来ることがあります。

4.保険の使えない部分入れ歯の特徴とその費用について

保険の入れ歯のデメリットを解消するために、さまざまな部分入れ歯が作られています。

4-1.ノンクラスプデンチャー

バネが目立たない
これは、金属製のバネ(クラスプ)を無くした部分入れ歯です。床の部分を延長してバネ(クラスプ)の様に歯にかける様にして安定を図る様な構造になっています。
床の素材は、ナイロン系の特殊なプラスチック製となっています。
ノンクラスプデンチャーは、バネ(クラスプ)がなくなることで、見た目に目立たなくすることが出来ます。また、金属を全く使わないので、金属アレルギーがあっても安心して使えます。
こうしたメリットがある反面、破損したときの修理がしにくい、歯茎がやせて入れ歯との隙間が広くなってきた時に、隙間を埋めることがしにくい、歯を補う場所によっては、噛み締めた衝撃で割れてしまわないように金属を入れる必要があるなどの注意点もあります。

4-1-1.費用

ノンクラスプデンチャーの費用は、入れ歯の大きさによっても変わってきますが、15〜30万円ほどになります。

・ノンクラスプデンチャーについては、以下の記事で詳しく説明しています。
部分入れ歯の前歯が目立つのは嫌!見た目を良くする部分入れ歯

4-2.金属床義歯

プラスチックと金属の入れ歯比較イメージ
保険の部分入れ歯は、レジンなどのプラスチック製の床で作られています。こうした床は、分厚いので舌に当たったりする上に、温度が伝わりにくいことによる違和感もあります。
そこで、床を金属製に変えたものが金属床義歯です。金属に置き換えることにより、厚みを薄く出来る上、温度も感じやすくなります。そのうえ、保険診療の部分入れ歯と比べて、汚れがつきにくくなりますので、より清潔です。
金属床義歯の素材は、金合金・チタニウム合金・コバルトクロム合金などがあります。

4-2-1.費用

金属床義歯の費用は、大きさによって変わるだけでなく、どの金属を使うかによっても変わってきます。40万円〜80万円ほどになります。

・金属床義歯については、以下の記事で詳しく説明しています。
部分入れ歯の違和感を驚異的に少なく!装着感の良い入れ歯の種類

4-3.コンフォート義歯

コンフォートの入れ歯
コンフォート義歯とは、硬いプラスチックでできた床部分に、やわらかいシリコーンのクッションを、お口に合わせて加工した入れ歯です。特に入れ歯を使用した際の痛みやゆるみに効果を発揮します。
歯茎と入れ歯の間にやわらかいクッションが敷かれますので、痛みを緩和したり、吸着性が増して外れにくくなるメリットがあります。
一方、違和感を感じている方には、クッションの厚みが増す分、違和感は解消されないので、注意が必要となります。

4-5-1.費用

コンフォート義歯の費用は、入れ歯の大きさによっても変わってきますが、30〜50万円ほどになります。

・コンフォート義歯については、以下の記事で詳しく説明しています。
専門家監修|入れ歯の痛みに効果を発揮!やわらかい入れ歯コンフォートとは?

4-3.マグネット義歯

マグネット入れ歯
マグネット(磁石)を使う部分入れ歯です。金属のバネ(クラスプ)のかわりに磁石を使って安定を図ります。入れ歯側に磁石を、残された歯に磁石にくっつく金属(磁性金属といいます)をつけます。この磁石の働きでがちっと固定して安定を図る様になっています。
しかも、金属のバネ(クラスプ)よりも取り外しが簡単なので、障害のある方でも使いやすいメリットもあります。しかし、磁性金属を装着するためには残された歯の神経をとらなければならないこと、磁石部分が破損した場合に修理が難しくなることが注意点としてあげられます。

4-3-1.費用

入れ歯の大きさだけでなく、磁石を幾つつけるかによっても変わってきますが、磁石装置だけで5万〜10万円(入れ歯代は別途)ほどになります。

4-4.コーヌス義歯/テレスコープ義歯

コーヌスクローネ
コーヌス義歯とは、金属のバネ(クラスプ)のかわりに被せものを利用したタイプの部分入れ歯です。テレスコープ義歯ともいわれます。
残っている歯に金属製の円柱状の被せものを入れます。これを内冠といいます。部分入れ歯側には、歯の形をした被せものがついています。これを外冠といいます。外冠の内部は空洞になっており、内冠がすっぽりと入る形になっています。内冠に外冠を被せることで、部分入れ歯の安定を図る様になっています。
見た目は、非常によく安定感も優れており、よく噛めます。しかし、入れ歯を外した際の見た目が悪いのと、製作に技術が要求されるために、別の歯が抜けたことによる修理や製作が非常に高価になります。また、治療できる歯科医院も限られてくる注意点があります。

4-4-1.費用

難易度が高いこともあり、100万円〜200万円ほどになります。

・コーヌス義歯については、以下の記事で詳しく説明しています。
専門家監修|テレスコープ義歯をご検討の方へ。利点・欠点・費用のすべて

4-5.インプラント義歯

imp1
インプラント義歯とは、インプラントを埋めてその上に磁性金属を装着し、部分入れ歯には磁石を組み込み安定を図る様にした部分入れ歯です。歯が残っている場合は、その歯に磁性金属を装着し、インプラントと組み合わせることもあります。
インプラントを埋めることにより、残された歯の本数に関係なく安定を図ることが出来るメリットがあります。そして、金属のバネ(クラスプ)がかかる歯は、金属のバネ(クラスプ)からかかってくる負荷が将来的に大きな負担となり、そのために歯が抜けてしまうこともありますが、インプラントを利用することで、金属のバネ(クラスプ)を歯にかけなくてもよくなりますので、歯を守ることもできます。また、全てインプラントで治すよりも、部分入れ歯を組み合わせることで、費用も抑えられます。
一方、インプラントを埋めるという外科処置が必要な上、インプラントが顎の骨の中で安定してくるまで、2〜4ヶ月ほどかかってしまいます。

4-5-1.費用

部分入れ歯の大きさや、インプラントを入れる本数によって大きく変わってきます。インプラントが1本当たり30〜35万円ですので、80万円〜150万円ほどになります。

まとめ

部分入れ歯は保険診療で安価に製作することが可能ですが、保険診療で作られる入れ歯には使用できる材料が限られます。
また、1度作った入れ歯が合わない場合でも、6ヶ月間は新たに製作ができない保険上のルールが存在します。
保険の部分入れ歯でお悩みの方は、保険外の入れ歯をご検討されることも有効な1つの手段となります。
入れ歯は材料を変えれば、必ずお悩みが解消するものではありません。
どのタイプの部分入れ歯が適しているのか、技術的に入れ歯が上手な歯科医師・技工士かをよく検討した上で、決めるようにしてください。

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