
歯を何らかの原因で失った後、部分入れ歯とインプラントで、どちらにすべきか大変悩まれるかと思います。
今回は部分入れ歯とインプラントのそれぞれの特徴、メリット・デメリットや費用などを比較して詳しくご説明致します。
1. 部分入れ歯とは?
部分入れ歯とは一本以上ご自身の歯が残っていて、その残った歯を支えにして失った歯の部分を覆う装置です。
日中は装着し、就寝時には外すことができる着脱式です。
部分入れ歯にもいくつか種類があり、保険適応のもの、保険適応外のものとがあります。
保険適応のものは、支えとなる歯に金具をかけて欠損部を覆います。
部分入れ歯の装着部位によっては、金具が見えてしまうこともあります。
一方、保険適応外のものには、金具を使わない材質を使用するものや、支えとなる歯を小さく削り、その上に差し歯のようにして上から装着するもの、弾力のあるやわらかい特殊な素材で作られたものなどがあります。
・見た目の良い入れ歯については、以下の記事で詳しく説明しています。
部分入れ歯の前歯が目立つのは嫌!見た目を良くする部分入れ歯
・違和感の少ない入れ歯については、以下の記事で詳しく説明しています。
部分入れ歯の違和感を驚異的に少なく!装着感の良い入れ歯の種類
1-1. 部分入れ歯のメリット
部分入れ歯は先ほどもお伝えした通り、外すことができるので、残った歯や部分入れ歯をしっかりと洗ったり洗浄出来るので清潔に保つことが可能であり容易です。
また、インプラントなどに比べて比較的治療期間が短くてすみます。
必要な歯の治療期間を除いて、入れ歯製作自体は、だいたい1か月〜2か月程度で完成します。
その他、外科手術を伴わないので、インプラントと違って何度でも作り直すことが可能です。
入れ歯に使用できる材料の種類以外に、歯科医師と歯科技工士の技術力によって、仕上がりが大きく左右されますので、合わなくてお困りの場合は、入れ歯の専門医院などでの受診もお勧めします。
1-2. 部分入れ歯のデメリット
装着時、特に使い始めは異物感を感じることが多くあります。
また、革靴などと同じでお口に馴染むまで擦れて痛みがでたり、話にくいなどといったことがありますので、新しく部分入れ歯を装着後も、何度か歯医者さんへ通い調整を行う必要があります。
また、合わない入れ歯をしていると、口の中で動きやすく、痛みが伴うことがあり、状態によって、天然歯に比べて噛む力が30~40パーセントまで落ちるといわれています。※状態や個人差があります。
入れ歯が合わない場合は、調整・修理をするか、もしくは新しい入れ歯を作り直す必要があります。
1-3. 部分入れ歯制作の過程
1.上下の歯の型取り
2.上下のかみ合わせの測定
3.部分入れ歯の仮合わせ
4.部分入れ歯の完成
5.お口に馴染むまで、何度か調整
専門歯科では、さらに治療工程が多かったりと多少の差があります。
1-4. 部分入れ歯が完成するまでの期間
前項でお伝えした過程での治療となりますので、だいたい治療期間は1か月から2か月を目安にすると良いかと思います。
1-5. 部分入れ歯の費用
保険適応のものと適応外のものとがあります。
保険治療の部分入れ歯の場合は、8000円から10000円くらいです。
適応外のものは、歯科医院での価格設定があり一律ではありませんが、上下1つで大体30万円〜が相場になります。※歯数や材質により価格が異なります。
ハイライフグループでの入れ歯治療の製作過程
入れ歯の歯科医院ハイライフグループでは、お口にぴったりあった入れ歯治療を行うために、通常のお口の型取りの他に、さらに食事や会話時など、お口が動く状態の筋肉の動きまでをお口の型取りの際に記録して、入れ歯に再現します。その為、入れ歯安定剤などが無くても、痛みやゆるみが出ないように製作/調整をして完成させてゆきます。完成後に大きくお口のなかが痩せてしまった場合などは、1人1人のお口の状態として、調整で噛めるようになるかのかを見極めて調整または新製を行い、何度調整しても噛めない状況にならないように治療を進めます。
2. インプラントとは?
インプラントとは、歯の欠損部位の顎の骨の中にチタン製の人工歯根を埋入し、その上に被せものをする治療方法です。
入れ歯とは違い固定式で、見た目は天然歯に近く審美性に優れています。
2-1. インプラントのメリット
・固定式ではないためにお口の中での違和感が少ない
・ブリッジなどとは違い周りの歯を削る必要がない
・噛む力(咬合力)が天然歯に近いほどに回復が可能 ※個人差があります。
・見た目が良い
2-2. インプラントのデメリット
・外科処置である
お口の中を切り開き、顎の骨の中に人工歯根を埋め込みますので、外科処置となりリスクを伴います。
・体の状態によってできない
妊婦さんや血液をサラサラにするお薬を服用している方、喫煙者など、インプラントの治療を受けることができないケースがあります。
・費用が高額である
保険の適応外となりますので、費用は高額です。保険外の自費治療費はそれぞれの医院で決めることができますので、一律ではありません。
・メンテナンスが重要
インプラント施術後のお口のメンテナンスが最重要となります。これができない場合、インプラント歯周炎などにかかり、インプラントが脱落してしまうこともあります。
・インプラントのお手入れについては、以下の記事で詳しく説明しています。
インプラントはお手入れが重要!寿命を延ばすお手入れ完璧ガイド
2-3. インプラント治療の過程
1. 歯茎を切開して顎の骨を削り人工歯根を埋め込みます。この状態では、インプラントは見えません。歯茎の中に埋まっている状態になります。(1次オペ)
2. 人工歯根と顎の骨が結合するまで、期間を置きます。だいたい期間は3か月から6か月程度です。
3. 歯茎を切開し、人工歯根の上に装着する被せものとの連結装置を装着します。この状態でやっと歯茎の上に装置があるのが見えます。(2次オペ)
4. 被せものを作るための工程にはいります。(4回~5回かかります)
5. 被せもの(セラミッククラウン)の装着
6. 3.のように1次オペ、2次オペと2回に分けずに、1度に外科処置を行う方法もあります。
その場合も、治療後の人工歯根と骨との結合を待つ期間は同様に設けられますので、期間としてはどちらでもそれほど大きくは変わりません。
2-4. インプラント治療が完了するまでの期間
インプラント治療は、先ほどもお伝えした通り人工歯根と骨が結合するまでに待つ期間があります。
この期間は顎の骨の構造上、上か下かによっても差があります。一般的には下が3か月以上、上が半年以上といわれています。
そこから、上部構造の作成に1から2か月ほどかかりますので、4か月から1年近くかかることもあります。その為、入れ歯に比べて期間が長くかかります。
2-5. インプラントの費用
費用は、保険外の自費治療になりますので一律ではありません。それぞれの医院によって違いますし、地域によっても平均的な金額は変わってくるといわれています。
しかし、目安としてはだいたい1本30万前後が多いようです。いくつかの歯科医院で料金など確認してみるのが良いかもしれません。
2-6. 耐久性、予後
インプラントは、メンテナンス、セルフケアをしっかりと行えば長く持たせることは十分に可能です。
しかし、インプラントの上部構造であるかぶせものが割れたり欠けたりといったことは、起こりえます。
また、セルフケアが十分でない場合インプラント歯周炎といった歯周病にかかってしまうことがあります。これは、従来の歯周病と同様で重度になると歯(インプラント体である人工歯根)が抜けてしまう事もある怖い病気です。正しいお手入れが重要となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。部分入れ歯、インプラントそれぞれにメリット、デメリットがあります。
それぞれをしっかりと比較・理解してどちらかを選択することが大切です。
しかし、お口の中の状態は人それぞれです。噛み合わせや、残っている歯の本数や状態、歯並びなど1人として同じ人はいません。それぞれのお口にあった治療方法が必ずありますので、信頼のできる歯医者さんでしっかり診断してもらい相談してみてください。
また、インプラントはお手入れがとても大切です。
お手入れによって、インプラントがどのくらいの寿命となるかが決まってくるといっても過言ではありません。
ぜひ、どちらを選択した場合もお手入れや定期健診をして、長持ちさせお口の健康を守って下さい。